診察案内
こども・保護者の方へ
子どものこころについて、ご心配事があればお気軽にご相談ください。育てにくさや言葉の遅れ、不器用さ、問題行動のうらに発達障害が隠れているかもしれません。こころとからだは密接に繋がっておりますので、腹痛、頭痛、夜尿、チック、場面緘黙、起立性調節障害、拒食、過食、不眠等いろんな症状が身体のケアとともにこころのケアをすることによって軽くなることも少なくありません。お子さんのこころの治療には養育に携わっている周りのすべての方々のご理解ご協力が最も大切だと考えております。お子さんとともにご家族の心の元気も取り戻せるように、より良い対策を一緒に考えていきましょう。必要に応じて、発達検査や心理検査、投薬や心理士によるカウンセリングも行って協力していきたいと思います。
お子さんのこんな気になる症状ありませんか
<幼児期>
- 言葉の遅れがある
- 思い通りにならないとパニックになる
- 集団になじめない
- 順番が待てない
- こだわりが強い
- 特定の音や感覚を嫌がる
<学童・思春期>
- 気持ちのブレーキがかからない
- 親や先生の言うことが聞けない
- 会話が一方的
- 友達とのトラブルが多い
- 学習面の遅れ
- 学校にいけない
発達障害について
上記のような症状があり、生活上の困難さが生じている場合、発達障害の鑑別が必要となることがあります。発達障害であれば早期に診断を受けることにより、積極的に問題症状をこどもの特性として認め、適切な対応や療育の支援へつながり、こどもの心を安定に導きます。わが国では、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥性多動性障害、学習障害、トゥレット症候群、発達性協調性運動障害、吃音が支援の対象の発達障害となっています。発達障害は持って生まれた脳の機能の問題ですから、障害自体が完全に消失することはありませんが、周りの理解と協力、適切な支援や薬物療法により、その特徴や症状を改善し二次障害を軽減することが出来ます。発達障害は「一生発達しない」のではありません。発達の仕方が通常の子どもと違っていても、子どもたちは必ず発達する存在です。家庭環境や教育環境など、周りからの適切なサポートを通し、成長とともに改善されていく課題も多くあります。
自閉症スペクトラム障害(ASD)」
自閉症スペクトラム障害はもともと広汎性発達障害(PDD)と呼ばれていた障害で症状においても知的能力においても連続性があることが知られておりスペクトラムとされた。診断基準は「社会的コミュニケーションおよび対人相互関係が複数の状況でみられること」と、「こだわりが見られること」の2つで、こだわりには常同行動などだけでなく、感覚過敏や鈍麻などもふくまれます。 障害の程度は個人によって差が大きく、その特徴も子どもによってさまざまです。 3割くらいの子が知的障害を伴います。遺伝的関与の大きい脳機能障害と言われていますが、原因ははっきりとはわかっていません。ただ、しつけや育て方の問題でなるものではありません。男の子に多い疾患といわれています。
ADHD(注意欠如・多動性障害)
ADHDは、発達段階に比べて不相応なレベルの著しい不注意・多動・衝動性を特徴とする行動の障害です。
幼児は基本的に多動で落ち着きがなく、不注意で衝動的なものですが、ADHDの子どもはそれらが強くみられます。症状の出方や生活上の困難さは子どもによって異なります。有病率は5%程度とされて男児が女児より数倍多いです。ただ、ADHDは生まれつきの脳の機能障害であり、しつけや育て方でなるものではありません。
学習障害(LD)
「全体的な知的発達には遅れがなく、視覚や聴覚、運動能力に大きな困難がなく、本人が努力してるにもかかわらず、また生育環境や教育環境が良好であったにもかかわらず、読む・書く・計算する・推測するなど、特定の脳力のみ習得や使用に困難を示し、学業不振が著しい」状態のことです。
有病率は、2~10%程度と見られており、読みの困難については、男児は女児に比べて数倍多いことが報告されています。原因は、脳に何らかの機能障害があると推定されており、学習障害を持つ子どもの40%以上はADHDも同時に抱えています。また子どもによって障害の出かたもさまざまため、子どもにあった指導方法が必要となります。
心療内科
心の病の問題は予防と早期治療が大切です。ひとりで問題を抱え込むことでますます解決が難しくなることがあります。眠れない、食欲がない、気分が憂鬱、わけもなく不安、好きなことにも興味が持てなくなったなどの症状をお持ちの方は、お早めにご相談ください。病気かもしれないと悩まれているみなさんにとって、心療内科への受診は、もしかしたらまだまだ敷居が高いかもしれませんが、こころの病気は誰にでも起こり得るもので、また根性論でなんとかなるものではありません。ご自分で悩まず、まずはご相談ください。
うつ病
気分の落ち込み、好きなことにも興味が持てなくなる、少しの活動にも疲労感が強い、集中できない、自信がなくなる、自分を責める、食欲低下、眠れなくなる、死にたくなるなどの症状が続きます。休息と投薬治療が必要です。
適応障害
現実のストレスに反応して抑うつ気分、意欲の低下、悲哀感、いらいら、不眠などのうつ病と似た症状が起こります。ストレス因がなくなれば比較的速やかに症状は改善します。うつ病の治療に比べると薬物治療は補助的な役割となります。
不眠症
単なる不眠の方にはまず生活指導を行い、必要最小限の投薬治療にとどめます。
依存性の強い薬の投与は極力避けます。
パニック障害
突然の予期しないパニック発作(過呼吸、動悸、強い不安、めまいなど)が繰り返し起こり、いつ発作が起こるかと不安が強く、死んでしまうのではないか、気が狂うのではないかといつも心配になったり(予期不安)、発作が起こることが怖くて外出しなくなったり電車に乗れなくなったりします。(広場恐怖)薬物治療が中心ですが症状によってはカウンセリングが必要になることもあります。
全般性不安障害
多くの出来事や活動についての過剰な不安が続き、不安を自分でコントロールできず日常生活に支障が出ます。
社会不安障害
人前で何か話したり行動したりすることに対して不安緊張が強く、失敗するのではないか、否定的な評価を受けるのではないかという強い恐怖が続き、そのような場面を顕著に避けようとするなど日常生活に支障が出ます。
強迫神経症
「~したらどうしよう」「~するのではないか」などと頭の中で繰り返される持続的な考えやイメージ、繰り返しの行動(手を洗う、確認する、順番に並べるなど)がやめられず、これらの為に時間を浪費し生活がそれによって支配されます。
心気症
重篤な進行性の身体疾患にかかっているのではないかという強い不安が持続し生活に支障が出ます。
摂食障害
女性に圧倒的に多い病気で、肥満恐怖から極端なダイエットをすることがやめられず、自己誘発性嘔吐、下剤の乱用、過度の運動などによって低栄養状態となり、無月経をきたします。または過食嘔吐がやめられなくなります。治療はカウンセリングが中心で、投薬治療は補助的に行われます。身体症状が強いときは内科的治療も必要になります。
統合失調症
幻聴や妄想、自分の考えが筒抜け、自分の物でない考えが頭の中に入ってくるなどの症状が続き、不眠や強い不安を伴います。脳内伝達物質の1つであるドーパミンのアンバランスがあると考えられており、薬物治療が奏功します。早期発見、早期治療が重要です。
心理検査・カウンセリング
当院では、心理士による心理検査や心理療法を行っています。
心理検査はご自身の今のこころの状態や特性をもっとよく知り、お困りことの要因を多面的にとらえ診断に活かす目的で行う検査です。検査の内容は、お子さまの発達検査や大人の人格検査、発達検査など現在の心理状態や認知機能に関するものなど、さまざまなものがあります。
医師の診断の補助的な役割の他、患者様も今まで見えなかったご自分を客観的に知り、理解することで今後の生活に役立てることができます。また、心理療法では会話によるカウンセリングのほか、プレイセラピーや箱庭療法など患者様に合わせたカウンセリング法を行います。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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9:30~12:00 | ○ | ○ | × | ○ | × | ○ |
14:00~17:00 | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
17:00~19:00 | × | ○ | × | ○ | ○ | × |
当院で扱っている心理検査一例
発達及び知能検査
- 遠城寺式乳幼児分析的発達検査
- 津守式乳幼児精神発達検査
- JART(知的機能の簡易検査)
- 田中ビネー知能検査
- 新版K式発達検査
- WAIS-Ⅳ成人知能検査
- WISC-Ⅳ知能検査(5~16歳)
人格検査
- Y-G性格検査
- SCT(文章完成法検査)
- P-Fスタディ
- バウムテスト
- 描画テスト(樹木画以外)
- ロールシャッハテスト
認知・その他
- GDS老年期うつ病評価尺度
- PRS LD児・ADHD児診断のための
スクリーニングテスト - ブルドン抹消検査
- POMS(気分プロフィール検査)
- GHQ精神健康調査票
- BDI―Ⅱ
- HDSR(長谷川式簡易知能評価スケール)
- MMSE
- FAB(前頭葉検査)
- IES-R(改定 出来事インパクト尺度)
- CES-D(うつ病自己評価尺度)
- 成人期ADHD症状チェックリスト
- AQ(自閉症スペクトラム指数)日本語版
- AQ児童用(自閉症スペクトラム指数)日本版
- 三宅式記銘力検査
- ベンダーゲシュタルトテスト
- 内田クレペリン精神検査
- ADAS